消毒用アルコール等の適正な貯蔵・取扱いについて
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、手指消毒等のため、消防法に定める危険物第4類のアルコール類に該当するアルコールを使用する機会が増えています。
アルコールは火気により引火しやすく、アルコールから発生する可燃性の蒸気は、空気より重く低所に滞留しやすいため、貯蔵・取扱いの際は換気が必要となるなど、火災予防に留意する必要があります。
このような理由から、消毒用アルコール等の適正な貯蔵・取扱いについて下記のとおり取りまとめました。
消防法に定める危険物第4類アルコール類とは
アルコールには、消防法に定める危険物に該当するものがあり、次のように定義されています。「アルコール類とは、1分子を構成する炭素の原子の数が1個から3個までの飽和1価アルコール(変性アルコール含む)をいい、組成等を勘案して総務省令(危険物の規制に関する規則第1条の3第4項)で定めるものを除く。」
※アルコールの含有量が60%(重量パーセントをいいます。)未満のものは消防法の危険物から除かれます。
アルコール類を貯蔵し又は取り扱う場合の適用法令等
アルコール類は、消防法に定める危険物第4類(引火性液体)アルコール類に該当する液体で、その液体から発生する可燃性蒸気が空気と混合し、そこに火気や静電気火花等を近づけると引火して爆発する危険性があります。(エタノールの引火点は13℃)【適用法令等】
【貯蔵・取扱い数量】80ℓ(個人の住居は200ℓ)以上400ℓ未満
<適用法令>島原地域広域市町村圏組合火災予防条例<必要な手続き>少量危険物貯蔵・取扱い届出書の届出
<貯蔵・取扱い基準>火災予防条例(第30条~第32条)
<担当窓口>各消防署、分署
【貯蔵・取扱い数量】400ℓ以上
※許可を受けて、危険物施設を設置する必要があります。<適用法令>消防法
<必要な手続き>危険物製造所等設置許可申請
※10日以内で、仮に貯蔵し又は取扱う場合は、危険物仮貯蔵・仮取扱い申請
<貯蔵・取扱い基準>消防法、危険物の規制に関する政令・規則等
<担当窓口>消防本部予防課(危険物係)
※ 倉庫等に、コロナ禍でアルコールが手に入りにくかった時期に仕入れた在庫が大量に残っており、400ℓ以上貯蔵されていた事例もあります。
このような場合、物品(アルコール)の除去命令など、消防法令による命令の対象となる場合がありますので、普段からアルコールを使用される事業所の方は注意をお願いします。